『500times vol.4』 小西 晃紘 さん(広島市安佐南区戸山)のご紹介!
「Uターンで実感した“人のつながり”を次代へ残すために」
広島4号線の開通や周辺道路の整備により、市街地に30分で着くにもかかわらず、ひと山越えたら自然いっぱい別世界の田園風景が広がる―私はそんな戸山で育ち、一度は外に出ましたが、出てみるとここの良さが分かり、妻子とともにUターンしました。戻った時に感じたのが「人の近さ」と「温かさ」。外に出ていたときは、すれ違う人は知り合いでもなく挨拶も無い関係に、自分自身も単体のロボットのような感覚でした。
人と人とのつながりって大事。このつながりをキープするためには、子どもたちが元気に暮らせるまちづくりが必要だと感じ、定住促進・地域の活性化に取り組む団体「やませみ舎」を立ち上げました。地域から学校がなくなるとそこは衰退していく。子どもがいると、人口もキープできる。Uターンを考えている人たちが戻りやすいように、学校を残して元気な地域を維持させなくてはと思い立ったのが「やませみ舎」立ち上げのきっかけです。
「やませみ舎」のメンバーは、全員が「戸山のいいところを見てもらおう・発信しよう」と同じ気持ちで活動しているので、大変だなと感じたことはあまりなく、楽しいことばっかり。メンバーは地元出身が多いのですが、みんなでワイワイ活動している姿を見て、自分も参加したい!と新しくメンバーになった移住者の方もいらっしゃいます。さらにやませみ舎から派生したつながりで、新しくいろんなグループもできているんですよ。
やませみ舎では、戸山の魅力を発信するために、田舎ならではの体験(山菜摘み、田植え、そうめん流し、クリスマスリース作り、餅つきなど)をイベント化して戸山内外の方々に参加していただいています。このイベント自体が「地域の活性化」ということにもなるのだと思いますが、私たちの目指すところは、実はもっと先にあります。それは自分たちの活動の全てを「定住促進」につなげることです。イベントなどで戸山の魅力を知ってもらい、住みたい!と思われた方には情報提供をする。なかなか思い通りにはいきませんが、少しずつ成果が出ています。
最近では、僕たちが移住の支援をしていることがだんだん浸透してきて、家主さんからの情報提供も多くなってきました。こういうサイクルをこれから活発にし、空き家あるいは新築の家に新しく若い家族が住み、さらにその家の子どもがまたここで生活し、のどかな戸山の土地が循環していくことを望んでいます。
今後は「温泉づくり」に取り組みたいと思っています。地面を掘ると冷泉が出るところがあるので、バイオマスと太陽光発電のハイブリッドで湯を沸かす仕組みを作ろうと考えているところです。バイオマスは里山の資源(山の環境保全の取組みで出てきた廃棄物)をエネルギーとして活用し、太陽光発電は田んぼののり面等を活用して設置するなど、SDGʼsの観点を取り入れた活動を視野に入れています。
もちろん、実行に移すにはマンパワーが必要。この地に人がいるのが大前提なので、まずは仲間(作り)を大切にして進めていきたいですね。
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小西 晃紘さん(広島市安佐南区戸山)
やませみ舎代表
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