令和7年2月20日(木)開催!レポート 「農業×商品開発の未来を語る」

令和7年2月20日(木)開催!レポート 「農業×商品開発の未来を語る」

2025年2月20日(木)、Hiroshima FOOD BATON挑戦記として、「農業と商品開発の未来」をテーマにしたオンライン交流会が開催されました。本イベントには、安芸高田市で農業を営みながら商品開発に取り組む一般社団法人KURU KURUの矢野智美さんをゲストに迎え、農業の現状や課題、そして未来への展望について語られました。


挑戦から生まれた「Farm to Baby」


矢野さんは農業未経験からのスタートでした。農業の後継者不足や遊休農地の増加といった課題に直面しながらも、解決策を模索し、農家の所得向上を目指して活動を続けています。その中で誕生したのが、「Farm to Baby」という、規格外のお米を活用した赤ちゃん向けのスナック商品です。

子育ての経験を活かし、「安心して食べられる食品を作りたい」という思いから開発されたこの商品は、特別栽培農産物として認証を取得。農林水産省の表示ガイドラインに基づき、節減対象農薬や化学肥料の使用を一定以上削減した農産物を使用し、安全性と品質にこだわった商品開発を実現しています。

イベントでは、売れる商品を作るための市場調査の重要性についても語られました。単に消費者の声を聞くだけでなく、市場に流通している類似商品を研究し、自分たちの想いと消費者のニーズを掛け合わせて開発することが大切であると強調されました。

その結果、「Farm to Baby」は初回生産分として1,000個のスナックと5,000個のホットケーキミックスを製造し、約2カ月で完売しました。



販売戦略とチーム作り


販売戦略として、まずAmazonでの販売を選択。手数料は発生するものの、多くの見込み客が既に存在する市場に参入することで、商品認知度を高めることを優先しました。


また、この成果を生み出すためには地域の協力が欠かせませんでした。矢野さんは農業に関心のあるママ友たちを巻き込み、チームで商品開発に取り組みました。チーム作りのポイントとして、「共感する人たちと進めること」「方向性が異なる場合は無理に引き留めず、適切な形で関係を整理すること」の重要性が語られました。


今後の展望とHiroshima FOOD BATONの役割


イベントの終盤には、参加者からの質疑応答が行われました。「赤ちゃん向けのお菓子は大人も食べられるのか?」という質問に対しては、「ホットケーキミックスは大人でも食べることが可能で、赤ちゃんが食べられるということが安心の証になる」との説明がありました。

現在、利益確保に課題があるため、今後は単価設定や販売ルートの見直しを進める予定です。その上で、矢野さんは生産から販売までを一貫して行う仕組みを構築し、持続可能なビジネスモデルの確立を目指して挑戦していきたいと語られました。

また、矢野さんの熱意と誠実な人柄が参加者に伝わり、多くの人が彼女のファンになったのではないかと感じられるイベントでした。


イベントのご案内
令和6年度 Hiroshima FOOD BATON 成果報告会のお知らせ


【日時】

令和7年3月27日(木)14:00~16:00

【内容】

広島県では、農水産事業者と多様な業種の企業が連携し、新たな「食」のビジネスを創発して農水産事業者の「稼ぐ力」を高めることを目的とした「Hiroshima Food Baton」(食のイノベーション推進事業)を実施しています。


この度、3年間の取組を行った初めての「卒業生」である令和4年度プロジェクトの成果報告会を行います。また、令和5年度及び令和6年度採択プロジェクトの取組を共有し、令和7年度の募集(予定)に向けた相談会を開催します。


新たなビジネスに取り組みたい農水産事業者、農水産事業者の「稼ぐ力」を高めるビジネスに取り組まれている方や関心のある方、採択者との関係を構築したい方など、本プログラムに関心のある皆様は、ぜひご参加ください。






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