〈令和5年度 第1回 さとやま未来円卓会議レポート〉
〈「さとやま未来円卓会議」とは?〉
みなさんこんにちは。
チーム500地域づくり知恵袋です。
今回は、8月8日に開催されました、「さとやま未来円卓会議」の模様をレポートいたします。
「さとやま未来円卓会議」とは、中山間地域の課題解決に取り組むチーム500登録者の活動に対し、行政機関や経済団体・大学などの構成団体から、助言や意見交換等を行うことにより、登録者の活動の継続と発展を支援するというものです。
昨年度までに25組が登壇し、この登壇をきっかけに事業拡大や新たなマッチングも生まれています。
今回は、久しぶりのリアル+オンラインのハイブリット開催となりました。
〈登壇者① 三次市 延原真由子さん〉
1人目は、延原真由子さんです。
延原さんは、三次市でほうじ茶シロップ等の商品を製造販売しておられます。今回は、現在取り組んでいるほうじ茶シロップの製造販売や、里山にある無限の仕事を、就労支援事業と掛け合わせて農福連携事業にしていきたいという福祉との連携構想、販路拡大等についての課題を発表されました。
これに対し、まず県の担当者からは「広島県産応援登録制度」が紹介されました。そして、構成団体からは、業界平均よりも高めの原価率を下げていく工夫や、ブランディング向上についての助言もあり、また社内の福利厚生のひとつとして企業向けに販売するなど、BtoBもできるのでは?との提案もありました。
〈登壇者② 呉市 佐々木有紀子さん〉
佐々木さんは、広島県内を中心に、これまでフードコーディネーターとして料理教室や商品撮影のスタイリング事業をして来られました。その経験を活かして現在は、6次産業化プランナーとして、生産者や加工業者に対し、商品アドバイスや販路拡大のサポートをする事業をされています。しかし、支援団体を通じての依頼が多く、訪問回数の制限があるため、サポートの充実が難しいという課題を挙げられました。そのため今後は、中長期的に伴走支援するための業務スタイルへの転換を目標にしているとのことでした。
これに対し県担当者からは、伴走型の事業制度として「HIROSHIMA FOOD HEROES CHALLENGE」制度の紹介や、創業支援施設「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps」でのマッチング事例の紹介がありました。また構成団体からは、金融機関の取引先の中には、伴走支援を求めている食品加工業の方もいるので、金融機関と情報交換をしていくのも良いのでは、といった意見も出ました。
〈登壇者③ 神石高原町 岸本恭子さん〉
岸本さんは、家業とデザインの仕事を並行しながら神石高原町でご当地キャンプブランドを立ち上げて活動されています。町の特産品をリブランディングして、キャンプブランドとして打ち出すことで、神石高原町を知ってもらうというコンセプトで商品を販売し、「キャンプの町」として地域内での協働も始めています。今後は、古民家をキャンプサイトとして活用するという構想があるものの、人員と資金面での不足が課題と話されました。
これに対し県担当者からは、ブランド化の取り組みについて東京の「ひろしまブランドショップTAU」でのテストマーケティングの制度などが紹介されました。また構成団体からは、広島大学内にある地域の課題解決プロジェクトの活用や、人手不足の対応としても、さまざまな方法で市町・学校と連携しながら学生を参画させるのが良いのではとの意見が出ました。
〈円卓会議を振り返って〉
今回は、久しぶりにリアル会場での開催ということもあり、構成団体からもさまざまな助言をいただくことができました。
玉井副知事の閉会挨拶では、「今日の登壇者のみなさんが集まるだけでも、さまざまなマッチングが生まれるのではないかと感じました。この会議を契機に、現場で実際に連携が始まることを期待しています。」と話されました。
各地域で地域課題を解決するための事業を行っておられる500登録者の取り組みが、さまざまな制度や団体とのマッチングによって、より活発になっていくことを願っております。