活動レポート

標本教室を実施しました!(昆虫編ガ類)

標本教室を実施しました!(昆虫編ガ類)

認定NPO法人西中国山地自然史研究会

広島県‎ 山県郡北広島町東八幡原 10119-1

河野弥生

西中国山地自然史研究会/もんぺる/環境パートナーひろしま

完成した標本

完成した標本

台風の影響などで延期となりましたが、10/16に開催しました。
講師合わせて10名とこじんまりとですが、内容の濃い教室となりました。
参加者は中学生、高校生もおり、担い手として活躍が期待されます。
会場の中央に並べられた標本は、すべて講師の山岸先生がつくったもの、と聞き、全員で覗き込みます。
なぜ標本をつくるのか?どうやってつくるのか?聞きたいことがたくさんです。
そんな疑問に答えるべくまず座学からのスタート。
小さなころからいきものが好きで、高校生の時に自分でつくってみた、という山岸先生から、「標本は未来への財産」ということや、調査されている「ガについて」のレクチャー、「標本の手順の中でも展翅は重要」といった解説がありました。
またデモンストレーションでは、ガの羽を持たずに扱う方法や、針のさし方などを学びました。
今回は、8月28日に霧ヶ谷湿原でライトトラップにより捕獲したガを標本にします。
簡単そうに見えますが、ガを扱うだけでも一苦労。コツを聞きながら、美しい標本に仕上がるよう作業しました。
「まっすぐに針をさすのが難しい!」「これでいいか見てくださいー」と声を掛け合いながら完成。
学術資料として半永久的に保存され、後世の研究にも役立つ標本をつくる技術の体験ができました。また、標本は生物多様性情報のタイムカプセルとも言われ、残された標本の遺伝子を調べることで過去の情報を知ることもできます。
地域の自然や環境を守り、伝えていくための大きな役割が果たせた標本教室でした。
地域の生物多様性保全に寄与できるよう、今後も標本教室を継続したいと思います。

座学から

座学から

ガの調査の方法について解説中。

展翅版を使って

展翅版を使って

展翅版とよばれる道具を使い、ガの羽が見えるようにピンで固定します。模様や形で同定することもあるので、どう展翅するかは重要な作業だと教えていただきました。

ガがかわいい!?

ガがかわいい!?

作業していたら「可愛くみえてきた」という参加者も。美しい標本にしたいですね。

中高生も参加

中高生も参加

大きなガに挑戦中の高校生。てこずりながらも最後まで完成!

あと2ヶ月で完成!

あと2ヶ月で完成!

グラシン目盛り紙で左右のバランスをとりながら、ピンを刺す。採取日、場所などを記載した仮のラベルを刺して完成・・と思いきやこの状態で2ヶ月乾かします。

何の種類かな?

何の種類かな?

日本には6149種のガが生息しているのだとか。そのうち、広島県では2453種、北広島町では850種。

集中!

自分が作った標本が展示されたら嬉しいかも、という感想も。
来年度、高原の自然館で展示を予定しています。

インフォメーション

認定NPO法人西中国山地自然史研究会

時間
11/26〜4/25までは冬期休館。
住所
広島県‎ 山県郡北広島町東八幡原 10119-1
備考
■関連イベント 植物の標本教室が12/4と12/18に開催予定です。詳細はこちらから。http://npo.shizenkan.info/?p=15956
Tel
080-6334-8601